フェイスリフトは、いくつになっても若々しい肌を見せたいと願う、人間のどこまでも続く美の追究から生まれてきました。しかし、現実問題として、何歳になってもつやつやした肌というのは、ある意味、気持ち悪くありませんか。5月のことでしたか、森光子さんが国民栄誉賞を受賞して、八十九歳になってもなお女優として第一線ですばらしい演技を見せる心身ともなる若さの秘訣は何かなどと、マスコミが一斉にコメントし始めましたね。森光子さんのお顔が何度もテレビに映りましたが、お歳相応の雰囲気で、その上に美しいメイクや衣装、そしてすばらしい演技と、あくまでも土台は現実の年齢とキャリアでした。フェイスリフトしてもらった方がいいのじゃないですかなどと、誰も話していませんでしたね。自分の顔の自信は、根本的には自分が自分として誇りを持って生きているかどうかにあると思います。フェイスリフトで少しばかり肌のつやを取り戻しても、そんなことでは戻せない大きな若々しさというものは、その人の生き様がそのまんま反映されてしまうのです。若返りを期待するのは人間誰しもの考えつくことですが、技術的に可能な部分と、それよりもっと奥深い、心のあり方にまで触れる部分と、2種類ありますね。
